2.2 来訪者側の現状調査
2.2.1 アンケート調査
つくばの研究施設に来訪する人々がどのような行動で来訪しているのか,また,どのように感じているかといったことをより詳細に把握するために,つくばの研究施設であるエキスポセンターとJAXAでアンケート調査を行った.
<アンケート対象場所の選定基準>
アンケート対象場所の選定基準は,つくばの各研究施設の来訪者を調べたところエキスポセンターとJAXAに来訪者が多く訪れていたため選定した.
<アンケート概要>
実施日時:平成22年5月29日(土),30日(日),6月5日(土),6日(日)13:00~16:00
実施場所:エキスポセンター,JAXA
形式:グループ代表者による面前記入法
回答数:155枚
5月29日(土) エキスポセンター 30枚
5月30日(日) エキスポセンター 30枚
6月5日(土)エキスポセンター 22枚 JAXA 40枚
6月6日(日)JAXA 33枚
<アンケート内容>
・つくば市内の見学可能な研究施設について
・交通手段について
・情報入手について
・回答者自身について
<アンケート結果から導かれたデータ各種>
図5 図6
つくばの研究施設へのアクセスは74%が自家用車となり,サイエンスツアーバスの利用はわずか5%にとどまっている.
このことからつくばへのアクセスは自家用車が主流となっており,現在,研究施設を回るために運行されているサイエンスツアーバスが活かしきれていないということがわかる.
また,つくばへの来訪者は60%以上の人が家族でつくばの研究施設を訪れている.これは子供の学校の教科書などで研究施設が紹介されていたり,遠足などで訪れ,もう一度家族で訪れるというケースが多かった.
図7 図8
図9
道路利用状況については高速道路を利用している人が50%以上いることがわかった.そして、つくばに来る来訪者は桜土浦IC,谷田部IC,つくば牛久ICを利用している人が大半を占めた.また,高速道路を利用して来る来訪者はどこからくるかというと,左図のようになり,千葉が32%,埼玉が21%,東京が20%となっており,関東地方からは70%以上の人々がつくばの研究施設に訪れているということがわかった.
図10 図11
つくばへの来訪者は県外から来る人が50%以上を占め,つくば市内からはわずか12%程度であった.慣れない土地に来ているということもあり,交通の不満に関しては場所・道路がわかりにくい,駐車・駐輪所がわかりにくいといった,交通案内などの不足に関しての不満が多かった.
図12 図13
見学したいがすることができない施設には、現在サイエンスツアーのバスルートの含まれていない高エネ研に需要が集まった.また見学できない理由として,70%の人が時間がない,時間が読めないという理由であった.
図14 図15
つくばに来る前に事前に情報を入手したかについては80%の人が観光に関して情報を入手しており,情報の入手方法としてはインターネットによる入手が50%以上を占めている.
図16 図17
市内での情報入手については70%以上の人が市内で情報を入手しておらず,入手しなかった理由としては,50%以上の人がどこにあるかわからないという理由で入手していなかった.
ここまでの問題点をまとめると以下の6点となる.
1 家族連れが多く,交通手段は自家用車が主流となっている.
2 東京方面から来る人々をターゲットにできる可能性がある.
3 研究施設の情報を明確化する必要がある.
4 新たな施設を含めた効率良いバスルートが必要.
5 インターネットでの情報提供が効果的.
6 情報を得ようとしているのに得られていない人がいる.
<来訪者の声>
ヒアリング形式の面前記入法により,来訪者の声を直接聞くことができた.
その中には,ホームページがわかりにくい,目的に合わせたお勧めの施設を知りたいという情報に関しての意見や,高速を下りてからの道がわかりにくい,駐車場が混んでいて入れないという交通に関しての意見があった.
2.2.2 アンケート結果からの問題点
アンケート結果から,以下のような問題点が挙げられる。
1 自家用車で回る人が多く,サイエンスツアーが活かしきれていない.
2 情報提供の場が不足しているため,自家用車で観光する時,行けない施設が出てくる.
3 ホームページがわかりにくく,そもそも研究施設が見学可能かどうかわからない.